6歳になるのに「さしすせそ」がうまく話せない…。
小学校に入るまでに何とか話せるようになってほしい…。
そんな悩みを持つママも多いと思います。
私の娘も「さかな(魚)」が『たかな』、「せんせい(先生)」が『てんてい』になってました。
そんな娘が、言語聴覚士の指導と自宅でできる簡単な発音トレーニングをするとバッチリ!
小学校に入るまでに「さしすせそ」がしっかり発音できるようになって、お友達とのトラブルもなく学校生活を楽しんでくれるようになりました!
ということで、この記事では「さしすせそ」が言えない原因や、自宅で簡単に取りくめる練習方法などまとめています!
何で「さしすせそ」が言えない?
どうすれば言えるようになるの?
簡単に取りくめる練習方法はない?
といった疑問をお持ちのママの参考になると嬉しいです^^
「さしすせそ」が言えない娘の誤り方とお友達とのトラブルとは…
私の娘は6歳の誕生日がきても「さしすせそ」がうまく話せませんでした。
4歳くらいから他の子より下手なことには気づいていたのですが「いつか言えるようになるでしょ!」と思って放置…。
その結果、お友達からうまく話せないことを指摘され「もう保育園に行きたくない!」と登園拒否になってしまいました。
よりにもよって、娘のお友達にはサ行の名前の子が多くて…
- サクラちゃん→たくらちゃん
- しおりちゃん→ちおりちゃん
- サラちゃん→たらちゃん
- しずくちゃん→ちじゅくちゃん
- せらちゃん→てらちゃん
誰でも名前を間違われたら、それは嫌になりますよね。
はじめのうちは良かったけど、あまりに間違い続けるから、少しずつ話してくれるお友達が減ってきたんです。
話の輪に入れてもらえない娘を見るのが本当にツラくて…
本当なら、すぐに”言葉の教室”に通わせたかったんですが、教室に空きがなくて通うことができなかったんです。
そんな時、友人の言語聴覚士さんに相談したら、色んなアドバイスをもらえたんです!
「さしすせそ」は何歳くらいで言えるの?
まず、聞いてみたのが「さしすせそ」が何歳ぐらいで言えるのが普通なのか聞いてました。
だって6歳にもなっても「さしすせそ」が言えないのは何か大きな問題があるんじゃないの?と、不安になったから。
テレビを見てると2歳の子でも上手にしゃべってる子もいるから余計に心配で。
すると言語聴覚士さんは、
「さしすせそ」は言葉の中でも難しい音です。だから4歳ころから言え始め、5~6歳になってようやく完成するのがほとんどですが、それ以上に時間がかかる子もいます。
さらに聞いてみると、「さしすせそ」は6歳半を過ぎてやっと90%以上の子供が話せるようになるそうです。
発音の完成年齢
年齢 | 完成する構音 |
4歳〜4歳5ヶ月 | ハ行、カ行 |
5歳〜5歳5ヶ月 | バ行 |
5歳6ヶ月〜5歳11ヶ月 | ザ行 |
6歳6ヶ月〜 | サ行、ツ、ラ行 |
引用:機能性構音障害
だから6歳で「さしすせそ」が言えないのは、発達的にめちゃくちゃ遅れてるワケではないそうです!
ほっと一安心…
と言いたいところですが、6歳過ぎての獲得だとやはり少数派。
あんまり遅くなりすぎると私の娘みたいにお友達とのコミュニケーションでトラブルになるケースがあるんですよね…。
だから時期とかじゃなくその子の生活に支障が出てるかどうかで判断した方がいいと思います。
「さしすせそ」が言えない原因って?
次に「さしすせそ」が言えない原因を聞いてみました。
ちなみに私の子は耳は聞こえていて、舌や口に麻痺とかダウン症や自閉症などはありません。
それなのに発音がおかしい状態を「機能性構音障害」と言うそうです。
えっ?!障害?!
とショッキングなネーミングでしたが、そんな名前だそうです。
で、この機能性構音障害ですが、実は原因はいまだにハッキリしていないようですが、実際にはざっくり大きく2つの問題に絞られるそうです。
- 舌や口の運動が未熟
- 音を聞き分ける力の遅れ
その①:舌や唇の動きが未熟だから言えない…
まず1つ目の原因が「舌とか唇の動きが未熟」なことです。
コレはイメージ通りですよね。
正しく「さしすせそ」を言うためには、しっかりと舌が動かないといけないのですが、かけっこや体操みたいに、発音も舌や唇を使う運動なので、はじめからうまい子もいれば、人から教えてもらわないと上手くできない子もいるそうです。
私の娘は「さしすせそ」を「たちつてと」に間違えてたんですが、具体的に舌の動きの違いはこんな感じだそうです↓↓
タ行は舌全体を使って発音するので、細かな動きがない分、言いやすい音のようです。
一方で「さしすせそ」は、舌の真ん中あたりから息が舌を擦るように出てくる音で、【摩擦音】と言われています。
「たちつてと」の単純な動きと違い、「さしすせそ」舌先の繊細な動きが必要だから獲得が難しいんですね。
「サ」は「s」と「a」に分けられます。その「s」の部分を「スーーー」と言ってみると息が摩擦してる感覚が分かると思います。
発音の仕方を知ってみると「さしすせそ」が苦手な子が多いのも分かる気がします。
その②:音を聞き分ける力の遅れ
次に2つ目が「音を聞き分ける力の遅れ」です。
これは1つ1つの音をしっかりと聞き分けることができる力だそうで、この力が育たないと自分の言葉の誤りに気づけないんです。
「さかな」って言ってみて。
たかな!
違うよ。さかなだよ。
たかな(魚)って言ってるもん!
このようなやりとりに身に覚えがある場合は、聞く力がまだ育ってない可能性があります。
言葉がうまく話せないと「とにかく話す練習をしないと!」と思われがちですが、実はこの聞き分ける力(音韻意識)が育ってないと、うまくお喋りするのは難しいそうです。
音韻意識
頭の中で音をイメージする力
- 音をならべる
- 音をとりだす
- 同じ音がわかる
それに…
- お喋り全体が不明瞭
- 言い間違いが多い
- ひらがなの学習が進まない
といったケースも、聞き分ける力が関係しているんだとか…。
実はウチの子、ひらがなの勉強の進みがかなり遅れてました。
「さしすせそ」も言えないけど、他にも言葉全体がハッキリしないとか、ひらがなの学習が進まない場合は、まずは音の聞き分ける練習が大切になるんです!
そこで、次は自宅で簡単に取りくめる練習法や、便利なグッズを紹介していきます!
「さしすせそ」が言えない子のための練習法!
ここからは「さしすせそ」が言えない子のための練習法についてお話しします。
つまらない練習だと集中できなかったり、途中で諦めたりとなかなか成果に繋がりにくいので、いかに「楽しくする!」かがポイントです^^
ママやパパと遊びながらできる練習法をご紹介していきます!
「さしすせそ」を言う練習:耳の練習編
①単音から音を聞き出す!
まずは色々な音の中から「サ」の音を聞き出す練習です!
「サ」だけじゃなくて「しすせそ」でもOKです。
基本的にうまく言えない「さしすせそ」から練習しますが、最終的にはどんな音でも聞き分けられるようになるのが目標です!
- はじめに「サ」の音を聞かせる。
- 次に「サ」の音が聞こえたら手を上げるように伝える。
- 色々な音を聞かせながら「サ」を聞き出させる。聞かせる音の例)
ア、タ、ハ、サ、ミ、サ…
ママが言った言葉の中で、対象になってる「サ」の音が聞こえたら合図してもらいます。
見つけた時の反応は手をあげるでも、手をパチンと叩くでも何でもOK!
100均にあった音がなるアイテムを使って、クイズ番組っぽくするのも楽しめるのでおすすめ♪
②単語から音を聞き出す!
単音から音を聞き出せるようになったら、お次は単語へと進めていきます!
まずは2文字とか3文字の少ない単語から始めましょう。
- 「サ」が含まれてる単語と含まれてない単語を準備する。
- 次に「サ」の音が聞こえたら手を上げるように伝える。
- ランダムに単語を言いながら「サ」の音が聞こえたら手を上げさせる。例)
サイ、カニ、スミ、サメ…
アサリ、イルカ、ツクエ、ウサギ…
こちらも楽しく練習できるように、「サ」を聞き出せたらカスタネットやトライアングルで合図をしてみるのもいいですね♪
単語になると難易度がグッと上がるので、はじめのうちは「サ・イ」とか、ゆっくり目に話してみて下さい。
慣れてきたり確実に聞き出せるようになったら「サイ」と、普通の話す速度にするなど調整していきましょう!
③対象が単語のどこにあるか探す!(語内位置弁別)
これは単語の中から対象語を探す練習になります。
- 「サ」が含まれてる単語を準備する。
- 次に単語の中のどこに「サ」があるか探させる。
例えば、「サクラ」の中に「サ」は何個目にある?
というように、聞いていきます。
はじめのうちは「言葉だけ」でするのは難しいので、おはじきやブロックを文字数分並べてみて、視覚的な手がかりがあると分かりやすいです。
指差しだけだと飽きてきたりするので、対象語を見つけてシールを貼るといった作業をプラスすると、楽しみながらできるのでおすすめ!
こちらはminneというサイトで売っている「言語聴覚士がつくった ことばドリル」です。
こんな風に、イラストと文字数のまる枠があって、対象の場所にシールを貼りながら楽しく音韻の練習ができる教材です♪
「サ」は入ってないけど、コレだと手軽に始められるのでとってもおすすめ!
私の娘もコンビニでコピーして毎日やっています^^
④2つの音が同じか判断する!(異同弁別)
次は、ママが2つの音を言ってみて、その2つが同じか、それとも違うのかを判断させる練習です。
- 単音からはじめて単語の順にすすめていく。
- ママが2つ音を言って同じか、そうではないかを判断させる。例)
単音「サ・ク」「サ・サ」「フ・サ」…
単語「サクラ・タクラ」「クサ・クサ」「サラ・タラ」…
普通にマルバツで判断させてもいいけど、例えば…
ママが2つ音を言うから、2回とも「ア・ア」みたいに同じに聞こえたらシールをとってね。「ア・ム」みないに同じじゃなかったら取っちゃダメ!
といって、合ってたらシールを取らせて何かに貼らせると、楽しみながら練習ができます。
私の家では、シールを貼れるたくさんのイラストをラミネートして準備してます。
写真みたいな玉入れのイラストもあるし、他にも
- サメの口が空いたイラスト→シールを食べさせる
- ライオンの口が空いたイラスト→シールを食べさせる
- カバの口が空いたイラスト→シールを食べさせる
などなど、好きな動物にエサをあげるようなイラストを使ってます。
手軽に済ませたいなら「ごほうびシールの台紙」もおすすめ!
引用:イラストAC
イラストACで無料の台紙もあるし、100均にもいろんなデザインの台紙があるので、お子さんのお好みのモノを探してみてください!
⑤ママの言った音が正しいか判断する!(正誤弁別)
最後は、ママが言っている音が正しいのか、それとも誤っているのかを聞き分ける練習です。
- 「サ」が入った単語の同じ絵カードを10枚準備する。
(例:魚のカード×10枚) - ママがその単語を言ってみて、正しいか間違ってるかを判断させる。例)
魚のカードなら「サカナ」「タカナ」「シャカナ」…
1枚ずつカードを出しては判断させ、合ってれば◯印の箱に入れ、間違ってれば×印のある箱に入れていきます。
はじめは絵カードを使って分かりやすい形で進めていきますが、絵カードありで聞き分けが正確になれば、今度は絵カードなしで練習していきます。
ママとお子さんが役割を交換してやってみるのもおすすめです!
「さしすせそ」を言う練習:発音の練習編
①【スーーー】と音を出す!
「さしすせそ」を言うには、舌先の中央から息が抜ける道を作らないといけません。
「こんな風にするの!」とママの口の中を見せても、具体的にどう動かせばいいのか分からないので、まずはストローを使って物理的に道を作ります。
使うストローは細いものを選びましょう。
- 舌を平べったいまま口の外に出す(前歯より1cmくらい)
- その上に小さめのストローを乗せる
- その状態で軽く噛ませる
- ストローから息を「スーーー」と出させる
- ストローなしで「スーーー」と音をだす
はじめのうちはストローをくわえて、コップの水をブクブクと吹かせたりして、ストローに息が通るのを見て学習します。
この時に唇を閉じたり、写真の口の形から崩れるのは絶対にNGです!
ブクブクさせたくなると口が閉じやすくなるのでママがしっかり注意しましょう!
ブクブクがうまくいったら、コップをストローから離して、「スーーー」と音が出せるように練習します。
「スーーー」と音を出させながら、ママが少しずつストローを引き抜きましょう。
最終的にストローなしでも「スーーー」と音が出せるようになるまで、繰り返し練習します。
ストローが小さいと”軽く噛む”のがむずかしい子もいます。強く噛んじゃう場合は太めのストローから使って、徐々に細いものへと変えていきましょう。
②「サ」へとつなげる!
「スーーー」と音を出すのが安定したら、次は「ア」の母音を繋いで「サ」を出せるように練習していきます。
ちなみに「スーーー」という音はこんな音。
この音が出せるようになったら下の練習に進みます。
- 「スーーー」「ア」「スーーー」「ア」と交互に音をだす
- 「スーーーアーーー」と音をつなぐ
- 「スーーアーー」とだんだん短くする
- 「サ」へと導く
徐々に間隔を短くしていき、「サ」の音が出せるようにします。
うまくいかない場合はステップ①から繰り返して感覚をつかんでいきましょう。
③「サ」を1音ずつ言う!
「サ」が言えるようになったら、今度は確実性をあげていきます。
- 「サ」を1回ずつ言う。
- 「サ」「サ」と2回連続で言う。音をつなぐ
- 「サーーー」と伸ばして言う。
慣れてきたら、よく知っている歌を「サ」だけを使って歌ったり、「サ」の音だけでごっこ遊びをしたり、飽きさせずに練習していきましょう。
例えば
サササ〜(おはよー)
サササ〜(おはよー)
サササ、サササ!(ごはん、食べて!)
サーサ!(ハーイ!)
おママごとみたいにおもちゃのご飯を準備したり、その状況を分かりやすい作ってあげると、「サ」だけのやりとりでも意外と伝わりますよ^^
④「サ」が入った単語を言う
「サ」が安定してきたら、今度は「単語」へと繋げていきます。
- 「サ」が入った2文字の単語を言う。
例)サメ、サカ、カサ、サイ - 「サ」が入った3文字の単語を言う。
例)サカナ、ハサミ、ウサギ、タカサ - 「サ」が入った4文字以上の単語を言う。
例)サンニン、オオキサ、オオサマ、アサガオ、オカアサン
まずは2文字のなじみのある単語からはじめ、3文字、4文字と文字数を増やして練習していきます。
練習中はもちろんですが、普段のことばでもしっかり「サ」が出るまで練習しましょう^^
まとめ
私の娘はことばの練習をしていくごとに、ぐんぐん「さしすせそ」が上手になって、9割くらいの確率で間違えてたのが、キレイに発音できるようになりました。
心配だったお友達とのトラブルも解消♪
小学校に行くようになった今では、楽しく学校生活を過ごしています^^
「子育てに焦りは禁物!」とは言うし、もしかしたら、ほっておいても勝手にことばを獲得できたかもしれません…。
でも、少しずつ成長していく姿を見れたのは嬉しかったし、なによりことばの発達段階を知ることで気持ちに余裕もできました。
「さしすせそ」がいつ言えるようになるのか不安なまま過ごすより、とても安心できました!
本当なら専門家の診断を受けてからアドバイスを貰うのがベストだと思いますが、今はことばの教室はどこも満杯状態…(私の地域は)
「とにかく早くなんとかしてあげたい!」と考えてるなら、まずは「耳の練習」からチャレンジしてみてください。
「耳の練習」に関してはやり方さえ知ってれば誰でもできるので、ぜひトライしてみてください♪
「さしすせそ」が言えない子の中には、息が横から抜けるような「濁った発音」になってる子もいます。
こちらは「側音化構音」といった特殊な間違え方の可能性が高いです。
この誤り方は早めに直した方がいい話し方なので、言語聴覚士さんへの相談をおすすめします。